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憂鬱ラヂオ

頭文字Dの夢小説と普段の生活の綴りです

強盗の被害に遭った喫茶店は何事も無かった様に今日も普通を装う

地を這う私達は空に憧れを抱く 私もその一人だ
空を見上げると 足元がぐらついて あまりの空の遠さに慄き 足取りがふらふらとする。
最近の出来事は派手にすっ転んだり等とかいった そんな面白い様なビッグニュースは無いけれど
落ち着いた日々を過ごしている。
何かアクションを起こしたりしないのは
この安寧に惰性で ただ暗闇に蹲っている、とでも言おうか。
外の風に吹かれ その冷たさを身体中で感じ その中にいつまでも居たいだけ。
変化など求めていない。低く暗い海底を当ても無く漂っている。
僕は自分が何をしたいのかが良く解る
穏やかな日々に身を委ねていたいだけ──
広い世界に怯え 小さな世界で細々と毎日を暮らしていたい
世界の空気を痛感する 空を飛翔する僕の心は まだまだ黎明を迎えていない一羽の小さな鳥

スパルタの狐 19 その後

俺はその日学校を休んで葬式に来ていた。誰も泣く気配などなかった。皆がただそこに仕方なく座り、仕方なく木魚の音でも聞いている感じだった。亜澄、俺は亜澄が両親に虐待されていて、終いには孤児院で暮らしていた、だなんて事知らなかった。何故、どうして教えてくれなかったんだ?今となっては聞く術がないよな。だって、亜澄は死んだんだから。他者に殺されたんだったら、俺はそいつに強い憎しみを抱くだろう。もしかしたら、殺意も湧いてくるかもしれない。でも、亜澄は、自分で決めたんだ。そこに、俺が介入する隙は残念ながらないのだろう。そう色々と考えていると、隣に座っているとある男性に肘で小突かれた。「おい、次お前の番だぞ」はっとして俺は思考から目が覚めた。立ち上がって、亜澄の所へ行く。亜澄は、とても穏やかな顔をしていた。まるで何も苦などない様に。一連の動作をして、席へと戻った。
火葬してる間、隣に座っていた男性──毅さんに、ちょっと外へ行こう、と誘われたので一緒に外へ出た。煙草を勧められたけど、断った。全然吸いたいと思う気分じゃない。「慎吾は捕まったよ」煙草の煙を吐いて毅さんはそう言った。「…俺、なんにも聞かされてないんです」「そうか。あいつが捕まった理由は、孤児院からあの子を引き取ったのにも関わらず大事にしてやれなかったせいでな。それで罪に問われた」毅さんは更に続けた。「孤児院の友達はあの子は逃げたとかなんとか言って裏切られたって思ったから、来なかったんだとよ」「…そうですか」毅さんと亜澄はどんな関係だったのかは話そうとはしなかった。俺はもはやそんな事はどうでもいいと思った。亜澄にとって、俺はどんな存在だったのか。その捕まった奴の顔がぼんやりと浮かんで、そいつと亜澄が行為をしてる想像をした。それは、かなり俺を辛くする要因だった。全ての原因はあいつにある様な気がした。拳に力を込める。そいつをめちゃくちゃにする想像もした。その時「おい、顔が怖いぞ。あいつが憎いだろうとは思う。多分お前の思ってる事と俺の考えてる事は一緒だ。だから、今あいつを殺す想像をしてたんだろ。」「…はい」「あいつも悪かった。だけどな、亜澄を一番最初に救ったのはあいつなんだ。それは分かるな?」俺は黙ったままだった。そうかな。確かに亜澄を助けたのはあいつだけど、だけど……「亜澄はもう戻って来ないんですよ。それに気付いてますか?」俺は毅さんを真っ直ぐに見た。「忘れろ」毅さんは目線を下におろして言う。「忘れるんだ」それは自分に言い聞かせているみたいだった。

スパルタの狐 18 ~完結~

慎吾が帰って来る前にシーツの乱れを綺麗にしたりシャワーを浴びたりした。毅の残り香も消臭スプレーを部屋全体にかけて、対策ばっちりだと思った。逆にキチンとし過ぎて怪しまれないか不安だったけど、慎吾はお馬鹿さんだからどうせそんな些細な事気付かない。ほら、そうこうしているうちに慎吾が帰って来た。「俺疲れた。寝る」部屋着にも着替えずに慎吾はベッドへと倒れ込んだ。そのままぐうぐうと寝てしまった。私は荷解きに取り掛かった。お皿を食器棚に仕舞ったり、服をハンガーに掛けたりした。次の段ボールを開けたら、いつか慎吾と水族館へ行ってお土産屋さんでこっそり毅と色違いのイルカのストラップを買ったのが出てきた。私はそれをそっと手に取り、思い出に浸った。思い出から目が覚めると私はそのストラップをズボンのポケットに入れ、また荷解きの作業に掛かった。やがて段ボールは減っていき、遂には部屋に段ボールが無くなってすっきりとした部屋になった。さすがに疲れた私は慎吾の寝ているベッドへ横になって、少しだけ慎吾の寝顔を見ていつの間にか眠った。
「亜澄!起きろ」慎吾の声ではっと目が覚めた。「暇だからゲームの相手しろー」「もうちょっと寝たい…」「新作のゲームが届いたんだぜ」「起きる!」時計を見ると夕方だった。私達はご飯を食べるのも忘れてゲームに没頭した。「げっ、もう22時じゃん、あー体痛い。亜澄、気分転換に走りに行こうぜ、腹も減ったしな」「いいよ」車に乗り込み、夜の町へと繰り出した。ファミレスで遅い晩ご飯を食べながら慎吾の話す馬鹿話を聞いて笑っていた。その後、妙義山へ行った。外へ出て、真冬の満天の星空を二人で眺めた。慎吾は煙草に火を点け煙を吐いた。「町が星屑に見えるな」「ほんとね」私も煙草に火を付けようとした時、慎吾がふいにこう言った。「結婚しよう」私は煙草を落としそうになった。結婚?いつかはそうなるとは思っていたけれど、ようやくその時が来たか、と思った。「もちろん」慎吾は照れているのか、向こうの方を向いていてどんな表情をしているのか気になったので覗き込んでみた。「見んな馬鹿」やっぱり照れているんだあ。私は笑いながら慎吾の顔を見ようとがむしゃらに腕を引っ張ったりした。楽しかった。
家に帰って、慎吾が眠りについたのを確認して、私は自分のコートのポケットからある硬い物をゆっくりとした動作で取り出した。慎吾が護身用にでも使えとばかりに勝手に忍ばせた“ナイフ”だった。私はイルカのストラップの紐を柄に結んだ。首に刃先をあてがい、一気に押した。この世に産まれてきたのは何かの間違い。神様のミスだ。だから私は自分でケリを付けなければいけない。沢山辛い事もあったけど、私はきっと幸せ── だった。

君の為なら俺の命を天秤に掛けてもいい 死刑を執行してくれ 来世でまた逢おう

新年が明けて、僕は一つの決断を迫られている 去年からずっと引きずってきた思いを 面倒をよく見てくれた二人に打ち明けなければならない こんな切羽詰まった様な 生き急がされる様な 思いは御免だ 僕は自由へと飛び立つ 普通に生きてるだけで精一杯なのに あんな重役など僕には相応しくない 今こそ逃げ出す時だ その時が来たのだ さあ僕を野に解き放て 僕は逃亡する 振り向かない 逃げるという行為は 自分を肯定する行為だろう 甘ったれで生半可な奴なのさ 僕はいつだって逃げ出す 無駄な時間を割かせてしまったね 懺悔室でぶちまけて×をくらって上からタライが降ってくる人生 一個では生ぬるい もっと落ちてくるべきだろう!私は 自分のところへかえりたい

カラ松バックレ

今日からゲームセンターで導入が始まった、おそ松さんデビジェル痛バとポーチ。私は痛バに目標をロックオンした。開店直後すぐに入荷したかゲームセンターに電話で問い合わせるほどの熱狂ぶりである。電話してみると、さすがクリスマスイブ、配送のトラックが遅れているそうで(道路が混雑している)、まだ到着していないとの事。僕も仕事があったので丁度いいくらいかな、と思っていた。おそ松さんの為に仕事早く上がって取り扱い店舗へと駆け込む。給料全額使い果たしたのに、ツレも前借りはもうしないと言われていたのに、お金を渡してくれた。そして、7,000円かけて痛バをGETした。あと100円しか残ってないのに、ヘタだから全然取れなくて悔しさとツレへの罪悪感でその場で号泣。マジ泣き。お店のお姉さんに「泣かないで下さい」と言われ、もう僕の精神は駄目だった。自分でGETしたんじゃなくて、お姉さんにあちこち動かしてもらってるうちに景品が時間経過で落下し(ぎりぎりの所に置いていたから)、僕はボロボロ泣いているのでお姉さんがこっそりくれたのだ。あのお姉さんに最初に声をかけて良かった。それも大事なのだが、まず先に謝る、感謝しなくてはならないのはツレにだった。本当にごめん。ありがとう。今日、結婚記念日なのに、帰りの車内はどんよりとした空気が漂っていて、嫌な気持ちで帰路へと着いたね。全部僕が悪い。にしても、諸君。私のカラ松への愛がこれでもかというぐらい分かったであろう。おそ松さん、恐ろしい。

スパルタの狐 17

それから次の日、バイトから帰って来た慎吾はすごく興奮した様子で、煙草をふかしながらテレビをぼーっと見ていた私に覆いかぶさっていきりこんでこう言った。「亜澄!!二人で暮らそう」私はびっくりして「えっ、でもお金どうするのよ」慎吾は私の上から退いて「毅の金隠してある場所、俺見つけちゃったんだよね」「くすねる気!?」「そうさ」呆れてものが言えなくなった私に慎吾は「今すぐ支度しろ。物件探しに行くぜ」
私達は小さなアパートを見学してすぐにここに住むと決めた。と言っても全て慎吾任せなんだけれど。でも悪そうな部屋ではなかった。
次の日、朝から慎吾と私は荷造りを始めた。毅が起きてきて「なんだなんだ、なんでこんなに段ボールが」「亜澄と二人暮らしするんだ。たけちゃんさよなら~」毅はベッドから勢いよく跳ね上がって「なんだって!?…………そうか。お幸せにな」私は毅の顔を盗み見た。一瞬寂しそうな顔をしたけどすぐにいつも通りの顔に戻った。無理に戻したのだとすぐに分かった。
「亜澄見ろ!ここが俺達の新しい部屋だ!」子供の様にベッドにダイブして慎吾はとてもはしゃいでいた。「来いよ」私はベッドに近付いて慎吾の傍に行った。抱き締められ激しい接吻。そのまま荷解きもせずに私達は交わって私は疲れて気を失う様に眠った。
慎吾に勝手に携帯をいじられて毅や拓海の電話番号とメアドを削除されたが、私は毅と拓海の番号を記憶していたので無駄だった。慎吾はバイトへ行ったから、毅に電話をかけた。電話はすぐに繋がった。「亜澄!?亜澄か!?」「そうだよ」「会いたい、隣で……その、……慎吾としてたとき俺はたまらなかった。今すぐ会いたい」「今日休みでしょ?私慎吾に連絡先消されて番号とか分かんなくなってたんだけど、私って昔からずる賢いから……覚えてたのよね。毅の今日が休みってのもね」そう。私は昔からずる賢い。歪みながら、好んで歪んだ訳じゃないのに、そう生きてきたから。「住所言うから来て」「分かった。ぶっ飛ばして行く」
アパートの前にエンジンを吹かす音が鳴り響いた。毅のだ。私は玄関の扉を開けて、そしたらすぐに毅が抱き着いてきた。「亜澄……会えて嬉しい。俺、駄目だ、今すぐ亜澄としたい」更にきつく抱き締められ「私も」と言って二人でベッドになだれ込んだ。私はおかしい。きっと狂ってる。頭のネジ三個ぐらい抜けてそう。エクスタシーを感じながら私は私を自分で嘲笑った。

真っ直ぐ見つめられ慣れていないのに

しとしとと雨が降り注ぐ街 みんないて みんないない 僕は一つの個体 君はちがう場所
人ひとりの事を それも特定の人物 話した事も無い 話すきっかけも見つからない 見つかっても 相手はシャッターが下りていて鍵が無い 探しても何処にも無い鍵 ひらかないシャッター 中には確かに人が存在しているのに 見えているのに ザー ザー
薄い靄に覆われた道路 瞬間 一人に気付く 酸性雨で溶けていく
いつでも マスクをしていて 顔を知らない 俯いて目も合わせ様としない 他人が気にならない 興味がない
自分が描いた絵が双方に飛び去っていく 自分が描いた絵じゃない 自分じゃない自分が描いた絵 素知らぬふりで
夢 現実と離れた位置に ただ 座っているのは 亡き自分の姿 間違えた世界に居る
何かが爆ぜる 駅は人で埋め尽くされて 落とした指輪は 拾おうとしても 大勢 人が居るから 踏まれて泥だらけ そんな世界に 落胆し 諦め 彷徨い歩く
踏み外して 置いて行かれない様に 僕は傘を強く握り締めた