希死念慮_同族嫌悪

どれほどあなたのこと思う

第五章 毒の染み付いた舌を嘗めたい

詩乃ちゃんを家まで送り、また会う約束をした。俺は真っ直ぐ自宅に帰り、ささっとシャワーを浴びた。喜びの気持ちでいっぱいだった。この事は慎吾には黙っておこうと思った。携帯を手に取る。? なんだ、このおびただしい数の着信は。全部走り仲間の奴等からだった。留守電も入っている、何かあったのか。留守電を聞くと、俺はサッと血の気が引いていくのが分かった。震える手で仲間に電話をかける。すぐに繋がった。「毅さん!電話になんで出てくれなかったんですか!」全身が強ばっていた。「慎吾が死んだって、ほ…本当なのかよ」嘘であって欲しいと思った。嘘だろ。アイツが?あの慎吾が?「本当です、今みんな集まってますんで、毅さんも早く来て下さい」「すぐ行く」嘘だよな。俺は今からいつも通りのうざったい慎吾に会いに行くんだ。正直内心焦ってる。早く用意しないと。
病院まで着く道中、気が気でなかった。入り口に仲間が立っていた。「毅さん、こっちです」仲間にも焦りが見える。連れて行かれた場所は、顔に白い布をかけられ横たわっている人間の居る狭い部屋だった。足が石になったみたいにその場から動けなくなる。ついに足に力が入らなくなった。「即死だったそう……で……」仲間は誰も彼も俯いたままで何も言おうとしない。「俺は、しっ……信じないぞ」「毅さんがそんなこと言うなんて、ら、らしくないす」現実を受け止めたくなかった。俺は部屋を飛び出した。引き留めようとする仲間の声を振り切り、車に乗り混乱したままの頭で必死に解釈しようとした。だが、駄目だった。ラジオからはEZ DO DANCEが流れていた。