希死念慮_同族嫌悪

どれほどあなたのこと思う

花村萬月「夜を撃つ」読破

かつてこれほどまでに孤独という悪魔に取り憑かれた少年が居ただろうか。
主人公は、どこまでも孤独だった。

闇に包まれた暴力、無意味で過剰なセックス

虚無という膨大に膨らんだ概念に押し潰された死

この本を読んで、哀しいけれど、気分が晴れた様な気がした。

妖精帝國は、「孤独だけが 私癒し続けてゆく」と、歌ったが
なんて浅はかな思考回路なんだろう、と思った
それは、主人公を頭の念頭に置いて考えてみた感想だ。
本当の孤独というものを知らないから、そんな歌詞が書けるのだ。

花村萬月は、真実の孤独を世に知らしめた。
その類希なる才能に僕はゆっくりと心の奥底まで響く悦に浸った。