希死念慮_同族嫌悪

どれほどあなたのこと思う

スパルタの狐 15

私は目を覚ました。隣の慎吾は居なくなっていて、毅も居なかった。私は体を起こした。時刻は14時だった。毅が作り置きしてくれていた冷蔵庫の中のものを電子レンジで温めて食べ、風邪薬を飲んだ。水を飲みながら私は考えていた。やがて、ある思考回路にいきづいた。出掛ける準備をして、外へ出て自転車に乗った。外は雨が降っていたが、傘も持たずそのままで来た。ドラッグストアへと漕ぎ出した。狭い道を通るときに車が横を通過して水たまりが激しく私へと降り掛かった。どうせ傘も差してないし、ちょっとぐらい濡れたって同じ事だった。広い道へ出て、ドラッグストアが見えてきた。自転車を停め、店内へと入った。店内に人はまばらだった。私はガーゼとガーゼをとめるテープと消毒液を買った。店員さんが一瞬私の顔を見てぎょっとしたが、すぐにスルーしてくれたので内心ホッとした。鞄の中に買った物を入れて外へ出た。さっきより雨脚が酷くなっていた。少し離れた所にあるコンビニへと寄って、カッターを手にしレジへと向かった。こちらの店員さんも驚いた顔をしていたが、無事スルーしてくれた。どうせ、私はその程度なのだ。どうせ、どうせ…。家に帰ると下着まで水が浸透した服を全部洗濯カゴへ放り込んで暖房を付けた。タオルで濡れた体を拭くと打撲跡がキリキリと傷んだ。部屋着に着替えて、体を拭いたタオルを床へ乱暴に叩き付けた。そのタオルのそばへ座って鞄から買って来た物を取り出した。カッターをチキチキ…と刃先を出すと左手首へとあてがった。力の限り思い切り右へと引いた。赤い細い線が出来て、ポツポツと血が噴き出してきた。もう一度別の場所にカッターを当ててサッと引いた。今度は太い線が出来た。そこから溢れ出す赤い私の体液…あは…あはは…下へと零れ落ちる涙。私は泣きながら嗤った。どんどん赤い線が増えていった。タオルは真っ赤へと染まった。ある一定のラインまで到達すると私はその行為を辞めた。血でこびり付いたカッターを捨て、水道の水で手首を洗った。消毒液を傷へ噴射して、血がとめどなく流れてくるので急いでガーゼを当ててテープでとめた。これはいけない兆候だなと自分でも分かっていた。けれど、衝動には勝てなかった。慎吾は私を大切にしてくれているのかそうじゃないのかよく分からなかった。私はベッドへ横になり静かに泥の中へと沈んでいった。