憂鬱ラヂオ

どれほどあなたのこと思う

スパルタの狐 8

私は電車を乗り継いで慎吾のいる街へと帰ってきた。喉が乾いたのでバッグからジュースを取り出しごくごくと飲んだ。駅から少し歩いて、慎吾のアパートへと向かった。合鍵で玄関の鍵を開け、「ただいま〜」と言った。部屋には中里君がいた。「おう…お、おかえり」ベットで車の雑誌を読んでいる。「あれ?慎吾いないの?」私はバッグを下ろしながら聞いた。「ああ、あいつなら帰ってきてないぜ」「そっか」私は少し残念だった。そうかあ…あれから慎吾帰ってきてないのかあ…どこ行ってるんだろ…私はあっと思い出した。バッグを漁り中里君のいるベットに飛び乗って近くまで行って「はい、中里君!お土産!」ぐっと彼の顔の前に差し出した。「お?俺にか?どっか行ってきたのか」「うん、慎吾と水族館行ったの」「そうか、悪ぃな、サンキュー…」頭をぽりぽりと掻きながら私の手から受け取った。「えへへ、開けてみて」「お、おう」ちょっと照れているみたいだ。「ストラップか」「うん!私と色違い」「可愛いな…サンキュー…」「へへ」私はなんとなく中里君のほっぺにチューをした。中里君はびっくりして「な、な、な、?!」「私シャワー浴びてくるねー」バッと降りてそのまま風呂場へ直行した。驚きおののいている中里君をそのままにして。私は服を脱衣カゴに入れて風呂場へと入った。私専用のシャンプーで頭を洗ってトリートメントもした。洗顔もして体をサッと流して出た。頭をゴシゴシとタオルで拭いて下着を身につけて歯を磨いた。ドライヤーで髪を乾かして部屋へと戻った。「うっ!」中里君は下着姿の私を見て雑誌で顔をサッと隠した。「あははいいよ別にー」「はっ早く着替えてくれ!!」「もうはいはい」私は新しい服を取り出して着替えた。「はい!もう大丈夫だよ」チラ、と中里君は雑誌から覗いて確認した。私は中里君のいるベットまで行き腰をかけて煙草に火をつけた。「ねえねえその雑誌面白い?」「あ、ああ…まあ…な」「ふーん」煙をはきながら言った。「なあ、あ、亜澄ちゃん」「ちゃん付けいらないよー亜澄でいいよ」「じゃあ…亜澄…俺ちょうど腹減ったし、どこか食いに行かねぇ?」灰を落としながら「いいねー!行こ行こ」と私は答えた。「ストラップのお礼」「ほんと?ありがとう」「俺支度するわ」「うん」それからして、中里君の車に乗り込んだ。発車して中里君は「何食べたい?」と聞いてきた。私は「うーん、中里君は?」「俺なんでもいいよ」「じゃあ適当にファミレスでいっか」「おう」「私ファミレスあんまり行った事ないんだー」「そうなのか、じゃあ俺らのいっつも行ってる所行こうか」中里君は煙草に火をつけながら言った。「うん!」車を走らせて近くのファミレスに寄った。いらっしゃいませー2名様ですか?とか色々聞かれ席に案内された。「何にすっかな」2人でじっとメニューを眺めながら「私これ」「じゃあ俺はこれで」やがて食事が運ばれてきて、私達は食べ始めた。「それ美味しい?私にもちょうだい」「いいぜ」「うん、美味しいじゃん」「亜澄のもくれよ」「いいよ」そんな会話を交わしながら私達は食べた。食べ終わって一服して会計を済ませてファミレスを後にした。車に乗って私は「中里君、ショッピングモール連れてって」「いいけど…」「私、服見たいな」「おう、分かった」ショッピングモールに着いて、私は好きな系統の服屋を探した。「私ここ来るの初めてなんだ」「そうか、俺も何回かしか来た事ねぇや」「そっかそっか、あ、あったここだ、3階だ」エスカレーターに乗って3階まで移動した。可愛い服を見つけ、これ買う!!と言ったら中里君が買ってやるよ、と言ってくれたので好意にあずかる事にした。駐車場に戻って中里君、と呼んだ。なんだ?と彼は言い、中里君の事、下の名前で呼んでいい?と聞いた。彼は戸惑ったように好きにするといいぜ、と答えた。ありがとう毅、と言うとおう、と彼はそっぽを向いた。照れてるのかなー可愛い、と私は思った。車は我々の家へと帰った。