憂鬱ラヂオ

頭文字Dの夢小説と普段の生活の綴りです

スパルタの狐 4

私は扉を開けて中に入って行った。「いらっしゃい」拓海のお父さんだ。「こんにちは…」ぼうっと半ば放心状態で立ち尽くしている私を訝しげに見つめて「…拓海の友達か?」「…」声を出そうと思ったが、上手く言葉達は出てくれなかった。「…上がって待っときな、あいつそろそろ仕事から帰ってくるだろうから」「…」私は自分の足先をじっと見て目の焦点が合っていない事に気が付いて、それでも足元を見続けた。「姉ちゃん、大丈夫か?」ポン、と肩に手を置かれてはっとした。「おっ、おじゃまします」私は拓海のお父さんを押し退けて奥へと上がって行った。豆腐の臭いがする。段差にけつまずいて、転がる様にして中に上がった。眼前に広がる一面の畳の網目に私は今日起こった出来事を思い出していた。転がった姿勢のままそうしていると、急に情けなくなって、悲しくなって、涙がぼろぼろと零れ落ちてきた。畳に染みを作っていく。叫びたかった。叫びたいのを堪えてゆっくり立ち上がり、風呂場を探して廊下を亡霊の様に歩き回った。洗面台を見つけ、私は一気に服を脱ぎ捨て勝手に風呂場に入った。石鹸を泡立て全身をこまなく洗った。膣の中に手を突っ込んで精子を掻き出す様にした。出ていけ、悪魔の遺伝子、悪魔、鬼、あんな奴、あんな奴、と私は呪詛を脳裏の中で放ちまくった。風呂場を出てバスタオルを拝借して、体に纏った。服は脱衣籠の中に放り込んで置いた。そのまま私は廊下を闊歩し、拓海の部屋を目指した。トントンと階段を上る。